VD-13Z3の交換と後継機種まとめ|費用・工事手順も写真付きで解説

トイレや洗面所の天井で、三菱電機の天井埋込形換気扇「VD-13Z3」が今も動いているご家庭は少なくありません。三菱電機の法人向け製品情報サイト「WIN2K」によると、VD-13Z3は1991年1月に発売され、1994年に生産を終了した機種です。販売期間はわずか3年ほどで、最終出荷からでも30年以上が経っています。「ブーンという音が大きくなった」「スイッチを入れても臭いがこもる」「羽根が回っていない気がする」といった理由で交換を検討し始めた方が、この記事にたどり着いているのではないでしょうか。
先に結論をお伝えすると、VD-13Z3の交換先は三菱電機の「VD-13Z14」がもっとも素直な選択です。三菱電機の法人向けサイトWIN2KのVD-13Z3のページでも、「現行品」の欄の最初にVD-13Z14が表示されています。販売店が公開している三菱電機の新旧対比表で比べると、埋込寸法205mm角・排気口φ100mm・グリル寸法286mmがVD-13Z3と共通しているため、天井の開口を広げたり、ダクトの径を変えたりせずに入れ替えられるのが基本です。
この記事では、工事時間・DIYの可否を最初にまとめたうえで、交換作業の流れを写真付きのレポート形式で紹介します。そのうえで、1990年代前半の「Z3世代」ならではの仕様、同じVD-13Zシリーズの別世代(VD-13Z・Z2・Z4・Z9)との違い、50Hz地域と60Hz地域で風量の出方が変わる点、WIN2Kで現行品として表示されている3機種の選び分けまで、VD-13Z3に絞って解説します。
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目次
VD-13Z3交換の結論まとめ
まずは、VD-13Z3の交換を考えている方が最初に知りたい5つのポイントを表にまとめます。細かな根拠は、このあとの各章で順番に説明します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 後継機種 | 三菱電機 VD-13Z14(天井埋込形換気扇 低騒音・2024年6月発売)※WIN2KのVD-13Z3のページでは、ほかにVD-13ZC14、VD-13ZVC7も「現行品」として表示 |
| 工事時間 | 換気生活では浴室・トイレ換気扇の交換作業を15分〜30分程度としています(古い機種で天井裏のダクトや配線に補修が必要な場合は延びます) |
| DIY可否 | おすすめしません。天井裏の電源線を本体につなぎ替える作業は電気工事士の資格が必要です |
| おすすめの交換方法 | 型番シールと天井まわりの写真を送って業者に見積もりを依頼し、VD-13Z14へ同寸法で交換 |
VD-13Z3交換でまず押さえておきたいのは、「天井の穴もダクトもそのまま使える可能性が高い」ことです。新旧対比表の寸法欄を見ると、VD-13Z3の埋込寸法は205mm、排気口の径は100mmで、VD-13Z14もまったく同じ数値になっています。さらに天井面に見えるグリルの寸法も、VD-13Z3とVD-13Z14はどちらも286mmです。一つ前の世代にあたるVD-13Z2はグリル寸法が276mmだったので、金属ボディの標準タイプ(VD-13Z〜VD-13Z14の系列)の中では、VD-13Z3が現行機種と同じ286mmグリルになった最初の世代ということになります。そのため、交換後に「グリルの周りに以前の跡がはみ出して見える」といった見た目の問題も起きにくい組み合わせです。
DIYについては、VD-13Z3は天井に埋め込まれ、天井裏で建物の電源線とつながっている換気扇です。コンセントにプラグを差し込むタイプではないため、電線を外したりつないだりする作業は電気工事士法で有資格者の作業と定められた「電気工事」にあたります。後継機種VD-13Z14の据付工事説明書にも「電気工事は電気工事士の方が実施してください」と明記されています。ネジを外して本体を下ろすところまではできても、配線作業は資格のない方には行えないため、業者への依頼をおすすめします。
工事時間については、換気生活のよくある質問で「浴室やトイレの換気扇は15分〜30分程度」とご案内しています。これは、既存の換気扇を取り外し、後継機種を同じ開口に取り付けて、ダクトと配線をつなぎ直し、試運転を終えるまでの作業時間です。VD-13Z3のように30年以上前の機種では、天井裏のダクトの交換や天井材の補修が必要になることもあり、その場合は作業時間が延びます。
実際のVD-13Z3交換の様子
換気生活の施工事例には、VD-13Z3そのものからの交換事例は見つかりませんでしたが、同じVD-13Zシリーズの別世代からVD-13Z14へ交換した事例が掲載されています。とくに東京都足立区 F様邸のトイレ換気扇取替工事は、VD-13Z3のすぐ次の世代にあたるVD-13Z4からVD-13Z14への交換で、作業内容はVD-13Z3の場合とほぼ同じです。ここでは、VD-13Z3がトイレの天井に付いている戸建て住宅を「よくある現場の一例」として、交換当日の流れをストーリー形式でご紹介します。
Before
現場は築30年を超える戸建て住宅の1階トイレです。天井の中央に、白い樹脂製グリルのVD-13Z3が付いています。スイッチを入れると「ウォーン」という低いうなり音が響き、ときどきカタカタと何かが当たるような音も混じります。ティッシュを1枚グリルに近づけても、ほとんど吸い寄せられません。30年以上回り続けたモーターの軸受けが摩耗し、羽根にもほこりが層になって付着していると考えられる状態です。
作業員はまず、グリルの内側に貼られた銘板で型番を確認します。「VD-13Z3」と読めれば、埋込寸法は205mm角、排気口はφ100mmです。念のため天井の開口寸法も測り、VD-13Z14がそのまま収まることを確かめてから作業に入ります。VD-13Zシリーズは末尾の数字だけが違う型番が多く、グリルの外観だけでは見分けにくいこともあるため、銘板を見るのが確実です。
取り外し作業
便器や床に養生シートを敷き、脚立を立てて作業を始めます。最初にブレーカーを落とし、換気扇に電気が来ていないことを検電器で確認するのが鉄則です。次に天井面のグリルを外します。天井埋込形換気扇のグリルはバネで本体に留められていることが多く、その場合は両手で少し下に引き下げてからバネをつまんで外します。長年の汚れで固着している場合は、無理に引っぱらず、すき間に指を入れて少しずつ浮かせていきます。
グリルが外れると、ほこりをかぶった羽根とモーター、本体を天井の下地に固定しているネジが見えてきます。ドライバーで固定ネジを外していくと、天井裏とつながったダクトの接続口と、電源線が入っている端子部分が確認できます。30年以上前の機種では、ダクトを留めているテープが硬くなっていることもあるため、ここで天井裏の状態をライトで照らしてチェックしておきます。
配線処理
本体を少し引き下ろしたら、端子部から電源線を外します。ここからが電気工事士の資格が必要な作業です。古い電線は被覆が硬くなっていたり、先端が酸化して黒ずんでいたりするため、必要に応じて先端を切りそろえ、新しく被覆をむき直します。VD-13Z14の据付工事説明書では、電線の被覆を10mmむいて本体の速結端子に差し込む方法が示されています。
あわせて、ダクトを本体の排気口から外します。ダクトの内側にほこりが厚く積もっている場合は、新しい換気扇の性能を活かすためにも、清掃やダクトの交換を検討するタイミングです。VD-13Z3を天井から完全に取り外したら、開口のふちに割れや欠けがないか、天井の下地がしっかりしているかも確認します。
新型設置

いよいよVD-13Z14の取り付けです。φ100mmのダクトを本体の排気口に差し込み、アルミテープなどで空気が漏れないように固定します。続いて電源線を速結端子に差し込み、軽く引っぱって抜けないことを確認します。VD-13Z14の据付工事説明書では、取り付ける天井の野縁(天井板を支える下地材)の高さを30mm以下としており、条件を満たしているかもこの段階で見ておきます。
本体を開口に押し上げ、付属の木ねじで下地に固定したら(VD-13Z14の据付工事説明書では付属の木ねじ4本で固定する方法が示されています)、最後にグリルを取り付けます。VD-13Z14のグリル寸法はVD-13Z3と同じ286mmなので、天井面に以前のグリルの跡がはみ出しにくい組み合わせです。ブレーカーを戻してスイッチを入れ、排気が正常にされているか、異音がないかを確認します。
After
試運転でスイッチを入れると、交換前のうなり音はなくなり、運転音は静かになります。VD-13Z14の騒音値はメーカー資料で50Hz時28.5dB・60Hz時29dBで、ドアを閉めたトイレの外ではほとんど運転音が気になりません。グリルにティッシュを近づけると、今度はしっかり吸い寄せられます。
作業を終えたら、取り外したVD-13Z3を回収し、周囲の養生を外して清掃します。最後に、グリルのお手入れ方法(メーカーは6か月に1度を目安に清掃を推奨)や、急なドアの開閉や外風の強いときに風圧式シャッターの閉じる音が聞こえる場合がある点(取扱説明書に記載)などを説明して完了です。天井裏やダクトに大きな問題がなければ、換気生活の案内では浴室・トイレの換気扇交換は15分〜30分程度が目安です。
VD-13Z3とは?(特徴・仕様)
VD-13Z3は、三菱電機の「ダクト用換気扇 天井埋込形」に分類される換気扇です。天井に四角い穴を開けて本体を埋め込み、天井裏のダクトを通して屋外に排気する仕組みで、マンションや戸建てのトイレ・洗面所などで広く使われてきたタイプです。WIN2Kでは発売日が1991年1月1日、生産終了が1994年と記載されており、現在は「旧型品」の扱いです。WIN2Kに掲載されている販売終了時点の価格は13,800円(税別)で、これは事業者向けの積算見積価格であり、一般消費者向けの販売価格ではないと注記されています。
| 項目 | VD-13Z3の仕様 |
|---|---|
| 種類 | ダクト用換気扇 天井埋込形(三菱電機) |
| 発売・生産終了 | 1991年1月発売/1994年生産終了(WIN2K) |
| WIN2K掲載価格 | 13,800円(税別・販売終了時点の事業者向け積算見積価格) |
| 風量(50Hz/60Hz) | 130/126 m³/h(新旧対比表) |
| 埋込寸法 | 205mm角 |
| 排気口の径 | φ100mm |
| 本体高さ/吐出口高さ | 192mm/102mm |
| グリル寸法 | 286mm |
| 材質 | 本体:金属/グリル:樹脂 |
| 騒音・消費電力 | 今回確認できたメーカー資料では確認できませんでした |
表の風量・寸法・材質は、販売店が公開している三菱電機の換気扇新旧対比表から確認した数値です。WIN2KにはVD-13Z3の納入仕様書・取扱説明書・据付工事説明書のPDFも掲載されていますが、画像形式の古い資料で本文を読み取れなかったため、騒音値と消費電力はこの記事では記載していません。不確かな数値を載せるよりも、実際に見積もりを取る際に銘板の表示を確認してもらうほうが確実です。
VD-13Zシリーズの中でのVD-13Z3の位置づけ
VD-13Z3を理解するうえで大事なのが、「VD-13Z」の後ろに付く数字が世代を表しているという点です。新旧対比表を見ると、初代VD-13Zが1986年、VD-13Z2が1990年、VD-13Z3が1991年、VD-13Z4が1994年に発売されています。WIN2KでもVD-13Zは1990年に生産終了とされており、1990年前後は1〜4年ごとにモデルチェンジが続いた時期でした。VD-13Z3はその中で、VD-13Z2からわずか1年後に登場し、3年ほどでVD-13Z4にバトンを渡した短命の世代です。
| 形名 | 発売 | 風量(50/60Hz) | 本体高さ | グリル寸法 |
|---|---|---|---|---|
| VD-13Z | 1986年 | 126/120 m³/h | 193.5mm | 276mm |
| VD-13Z2 | 1990年 | 130/126 m³/h | 192mm | 276mm |
| VD-13Z3 | 1991年 | 130/126 m³/h | 192mm | 286mm |
| VD-13Z4 | 1994年 | 130/130 m³/h | 189mm | 286mm |
| VD-13Z9 | 2010年 | 125/130 m³/h | 189mm | 286mm |
| VD-13Z14 | 2024年 | 125/130 m³/h | 189mm | 286mm |
表からわかるとおり、VD-13Z3は風量と本体高さがVD-13Z2と同じで、グリル寸法だけが276mmから286mmに大きくなっています。つまり、天井面の見た目はVD-13Z3から現在のVD-13Z14まで同じサイズが受け継がれていることになります。一方で、次のVD-13Z4では本体高さが189mmに低くなり、60Hz時の風量も130m³/hに上がりました。VD-13Z3は「グリルは現行サイズ、本体は一つ前の世代と同じ」という、ちょうど移行期にあたる機種といえます。
なお、同じ「VD-13Z」から始まる型番でも、VD-13ZC(樹脂ボディ)やVD-13ZF(埋込寸法260mm角の系統)など、アルファベットが続く品番は別の系統です。VD-13Z3は数字の「3」だけが続く標準タイプで、本体が金属製である点が樹脂ボディのVD-13ZC系との見分け方になります。
VD-13Z3の交換が必要なタイミング
VD-13Z3は最も新しいものでも1994年の製造で、今動いている製品はすべて30年以上使われていることになります。ここでは、交換を判断するための具体的なサインを3つの観点から整理します。
異音・換気不足
もっともわかりやすいサインは音の変化です。「ウォーン」という低いうなり音や、「カラカラ」「キュルキュル」といった金属がこすれるような音は、モーターの軸受けの摩耗や羽根のバランスの崩れが原因であることが多く、清掃では直りません。音が大きくなったまま使い続けると、やがてモーターが止まってしまうこともあります。
換気不足も見逃せないサインです。トイレの臭いが以前より長く残る、洗面所の鏡がなかなか曇りから戻らない、といった変化があれば、風量が落ちている可能性があります。VD-13Z3の新品時の風量は50Hzで130m³/hでしたが、羽根に付いたほこりやモーターの劣化で、実際の風量はこれを大きく下回っていることが考えられます。グリルにティッシュを近づけて、吸い寄せられ方が弱ければ交換を検討するタイミングです。
経年劣化
30年以上経った換気扇では、目に見えない部分の劣化も進んでいます。グリルの樹脂が黄ばんで割れやすくなっていたり、本体内部の配線の被覆が硬くなっていたりするのはよくあることです。また、スイッチを入れても動いたり動かなかったりする、焦げたような臭いがする、といった症状はモーターや配線の異常のサインで、すぐに使用を中止して点検を依頼してください。
後継機種VD-13Z14の取扱説明書では、補修用性能部品の保有期間を「製造打切り後6年」としています。1994年に生産を終了したVD-13Z3は、こうした一般的な部品保有期間を大きく過ぎており、モーターだけを交換するといった部分修理は現実的ではありません。本体ごと後継機種に入れ替えるのが、安全面でも費用面でも合理的な選択になります。
使用年数の目安
後継機種VD-13Z14の取扱説明書には、「設計上の標準使用期間:15年」と記載されています。これは、標準的な使い方をした場合に安全上支障なく使用できる期間の目安で、取扱説明書には「設計上の標準使用期間を超えて使用されますと、経年劣化による発火・けが等の事故に至るおそれがあります」と書かれています。VD-13Z3は最終生産の1994年から数えても30年以上が経過しており、現行機種の標準使用期間の2倍を超えて使われている計算です。
三菱電機は「長年ご使用の換気扇についてのお知らせとお願い」というページで、スイッチを入れても回らない、異常な音や振動がする、焦げくさい臭いがするといった症状があれば使用を中止するよう呼びかけており、換気扇の形名順販売年度一覧表も公開しています。VD-13Z3の場合は、今は問題なく動いていても「いつ交換してもおかしくない年数」に入っていると考え、異音や換気不足が出る前に計画的に交換しておくと安心です。
VD-13Z3の後継機種と互換性
公式後継機種の型番
WIN2KのVD-13Z3のページでは、「現行品」の欄に「VD-13Z14」「VD-13ZC14」「VD-13ZVC7」の3機種が表示されています。この記事では、そのうちVD-13Z3と同じ金属ボディの標準タイプであるVD-13Z14を交換先としてご紹介しています。VD-13Z14は2024年6月3日に発売された現行品で、WIN2Kの掲載価格は27,100円(税別)ですが、これは事業者向けの積算見積価格で、一般消費者向けの販売価格ではありません。販売店が公開している新旧対比表の買替案内でも、VD-13Z3を含むVD-13Zの旧型番の買替品としてVD-13Z14が示されています。
残りの2機種のうち、VD-13ZC14は本体が樹脂製のタイプです。換気生活ではVD-13ZC14のコミコミ価格も掲載されているので、仕様にこだわりがなく費用をはっきりさせたい場合の選択肢にもなります。VD-13ZVC7はVD-13Z3とは型番の系統が異なる機種で、新旧対比表では本体・グリルとも樹脂製、風量は「強:120、弱:75」(m³/h)と強弱で表記されています。選ぶ場合は設置場所の条件と合わせて業者に確認するのが確実です。特別な事情がなければ、寸法と材質の面でVD-13Z3にもっとも近いVD-13Z14を選ぶのがわかりやすい方法です。
サイズ・性能の違い(比較表)
| 項目 | VD-13Z3 | VD-13Z14 |
|---|---|---|
| 発売 | 1991年1月(1994年生産終了) | 2024年6月3日(現行品) |
| 風量(50/60Hz) | 130/126 m³/h | 125/130 m³/h |
| 騒音(50/60Hz) | 資料で確認できず | 28.5/29 dB |
| 消費電力(50/60Hz) | 資料で確認できず | 13/15.5 W |
| 埋込寸法 | 205mm角 | 205mm角(野縁高さ30mm以下) |
| 排気口の径 | φ100mm | φ100mm |
| 本体高さ | 192mm | 189mm |
| グリル寸法 | 286mm | 286mm |
| 材質 | 本体金属/グリル樹脂 | 本体金属/グリル・羽根樹脂 |
| シャッター | 資料で確認できず | 高密閉風圧式シャッター |
| 価格 | 13,800円(税別・販売終了時点のWIN2K掲載価格) | 27,100円(税別・WIN2K掲載価格)※いずれも事業者向け積算見積価格 |
寸法面では、埋込寸法・排気口の径・グリル寸法がすべて共通で、本体の高さはVD-13Z14のほうが3mm低くなっています。天井裏のスペースが足りなくなる心配はまずなく、同じ開口にそのまま入れ替えられるのが基本です。
風量の数値には、VD-13Z3ならではの注目点があります。VD-13Z3は50Hzで130m³/h、60Hzで126m³/hと、50Hzのほうが風量が多い特性でした。一方のVD-13Z14は50Hzで125m³/h、60Hzで130m³/hと、60Hzのほうが多い特性です。電気の周波数は、おおむね東日本が50Hz、西日本が60Hzなので、西日本のご家庭では交換後にカタログ上の風量がやや増え、東日本のご家庭ではやや減る計算になります。とはいえ差は5m³/h程度で、新品時の性能同士の比較です。30年以上使って性能が落ちたVD-13Z3と比べれば、どちらの地域でも交換後のほうがしっかり換気できると考えてよいでしょう。
機能面では、VD-13Z14には高効率羽根「デルタシロッコファンβ」や、グリル部と羽根部に汚れが付きにくい「デュアルバリアマテリアル」、外からの風の逆流を抑える高密閉風圧式シャッターが採用されています。VD-13Z14の用途は浴室・トイレ・洗面所・居間・事務所・店舗とされており(内釜式風呂のある浴室は不可)、トイレでVD-13Z3を使っていた場合も、洗面所や浴室で使っていた場合も、同じVD-13Z14で置き換えられます。
同じ機種の世代違いであるVD-13Z9と比べると、VD-13Z3の特徴がさらによくわかります。2010年発売のVD-13Z9は、新旧対比表の数値では風量125/130m³/h・本体高さ189mm・グリル寸法286mmで、VD-13Z14と同じ寸法・風量です。つまり、VD-13Z9からの交換は「ほぼ同じ形の新品に入れ替える」工事ですが、VD-13Z3からの交換は、本体の高さや風量特性が異なる約30年前の設計から現行設計へ切り替える工事になります。そのぶん、古いダクトや配線の状態確認がより重要になるのがVD-13Z3交換の特徴です。
他メーカーとの互換性
パナソニックや東芝(日本キヤリア)にも天井埋込形の換気扇はありますが、埋込寸法やグリルの大きさ、ダクトの接続位置はメーカーごとに異なります。他メーカーの機種に交換する場合は、天井開口を広げる加工や、開口をふさぐための化粧パネルが必要になることがあり、工事費がかさんだり仕上がりに違和感が出たりしがちです。
VD-13Z3の場合は、同じ三菱電機のVD-13Z14が埋込寸法・排気口の径・グリル寸法まで共通しているため、あえて他メーカーを選ぶメリットはあまりありません。特定の機能(人感センサーや24時間換気など)が欲しいといった理由がなければ、VD-13Z14を選ぶのがもっとも確実です。
VD-13Z3交換の方法と工事の流れ
DIY手順
VD-13Z3の交換には電源線のつなぎ替えが伴うため、電気工事士の資格がない方がご自身で交換することはできません。ここでは、資格をお持ちの方が作業する場合や、業者の作業内容を理解するための参考として、一般的な手順をご紹介します。
- ブレーカーを落とし、検電器で電気が来ていないことを確認する
- グリルを外し(バネ留めの場合はバネをつまんで外す)、銘板で「VD-13Z3」の型番を確認する
- 本体の固定ネジを外し、本体を少し下ろして排気口からダクトを外す
- 端子部から電源線を外し、本体を天井から取り外す
- VD-13Z14の排気口にダクトを接続し、アルミテープなどで固定する
- 電源線の被覆を10mmむいて速結端子に差し込み、抜けないことを確認する
- 本体を開口に押し上げてネジで固定し、グリルを取り付ける
- ブレーカーを戻して試運転し、排気と異音の有無を確認する
手順の中でとくに注意したいのが、6番目の電源線の接続です。接続が不十分だと接触不良による発熱の原因になり、30年以上前の電線は先端が傷んでいることも多いため、状態を見極めながら作業する必要があります。VD-13Z3の時代の天井裏では、ダクトの固定テープの劣化や、ダクトそのものの破れが見つかることも珍しくありません。
業者依頼の流れ
業者に依頼する場合、換気生活では次のような流れで進みます。現地調査なしで、型番と寸法がわかれば写真だけで見積もりを出せるケースもあり、足立区 F様邸のVD-13Z4からの交換でも写真による事前確認で工事を進めています。
- LINEで、グリル内側の銘板(型番)と天井の換気扇まわりの写真を送る
- 写真をもとにVD-13Z14への交換可否と見積もり金額を案内
- 工事日を決定
- 当日、既存のVD-13Z3を取り外してVD-13Z14を設置(換気生活の案内では15分〜30分程度が目安)
- 試運転・清掃・使い方の説明を行い、既存品を回収して完了
費用は、換気生活にVD-13Z14の掲載価格がないため、同クラスのVD-13ZC14のコミコミ価格32,230円(税込・下取り適用時)を参考に30,000円〜40,000円前後が目安です。ダクトの交換や清掃、スイッチの交換が必要な場合は追加になることがあるため、見積もりの際に天井裏の状態もあわせて確認しておくと安心です。正確な金額はLINEから無料見積もりでご確認ください。
注意点
VD-13Z3交換で注意したい1つめのポイントは、型番の確認です。VD-13Zシリーズは、VD-13Z・VD-13Z2・VD-13Z3・VD-13Z4…と末尾の数字だけが違う機種が多く、外観だけでは見分けにくいことがあります。VD-13ZCやVD-13ZFのようにアルファベットが続く別系統の機種もあるため、見積もりを依頼するときは、グリル内側の銘板の写真を送るのが確実です。
2つめは、天井裏のダクトの状態です。VD-13Z3は30年以上前の製品なので、天井裏のダクトも同じだけ年数が経っています。ダクトが外れていたり、つぶれていたりすると、新しいVD-13Z14に交換しても本来の性能が出ません。交換作業のときに、ダクトの状態も一緒に確認してもらうようにしましょう。
3つめは、周波数による風量の違いです。前述のとおり、VD-13Z3とVD-13Z14では50Hzと60Hzでの風量の出方が逆になっています。東日本の50Hz地域では数値上わずかに風量が下がりますが、実際には劣化したVD-13Z3より換気能力は上がるのが一般的です。気になる場合は、見積もりの際に設置場所の広さとあわせて相談してください。
VD-13Z3交換・後継機種に関するよくある質問
Q. VD-13Z3とVD-13Z4、VD-13Z2の見分け方は?
A. グリルを外した本体内側の銘板で型番を確認するのが確実です。新旧対比表では、VD-13Z2はグリル寸法276mm、VD-13Z3とVD-13Z4は286mmなので、グリルの大きさでVD-13Z2と区別できる場合もあります。ただし交換先はいずれもVD-13Z14なので、見積もりの際に銘板の写真を送っていただければ判断できます。
Q. VD-13Z3の後継機種がVD-13Z14のほかにもあると聞きましたが、どれを選べばいいですか?
A. WIN2Kでは、VD-13Z3のページの「現行品」欄に、VD-13Z14・VD-13ZC14・VD-13ZVC7の3機種が表示されています。VD-13Z3と同じ金属ボディの標準タイプはVD-13Z14なので、特別な理由がなければVD-13Z14がおすすめです。樹脂ボディのVD-13ZC14も同じ埋込寸法のため選択肢になります。
Q. VD-13Z3からVD-13Z14に交換すると、天井の穴を広げる必要はありますか?
A. 基本的には必要ありません。新旧対比表では、VD-13Z3とVD-13Z14は埋込寸法205mm角、排気口φ100mm、グリル寸法286mmがすべて共通です。ただし、VD-13Z14の据付条件には野縁高さ30mm以下とあるため、天井の下地の状態は現場で確認します。
Q. VD-13Z3からVD-13Z14に替えると、風量は増えますか?
A. 新品時の数値では、VD-13Z3が50Hzで130m³/h・60Hzで126m³/h、VD-13Z14が50Hzで125m³/h・60Hzで130m³/hです。60Hz地域(主に西日本)では数値上わずかに増え、50Hz地域(主に東日本)ではわずかに減ります。ただ、30年以上使ったVD-13Z3は性能が落ちていることが多いため、交換後は多くの場合で換気の効きが良くなります。
Q. VD-13Z3の部品だけを交換して修理することはできますか?
A. VD-13Z3は1994年に生産を終了した旧型品です。後継機種の取扱説明書でも補修用性能部品の保有期間は製造打切り後6年とされており、VD-13Z3の部品の入手は期待できません。また、後継機種の取扱説明書では設計上の標準使用期間が15年とされており、30年以上経ったVD-13Z3は本体ごとの交換をおすすめします。
Q. VD-13Z3の交換は自分でできますか?
A. 本体を取り外すだけなら可能に思えますが、天井裏の電源線を外してつなぎ直す作業は電気工事士の資格が必要です。後継機種VD-13Z14の据付工事説明書にも電気工事士が実施するよう明記されています。安全のためにも業者へのご依頼をおすすめします。
Q. 浴室でVD-13Z3を使っていますが、VD-13Z14に交換できますか?
A. VD-13Z14の取扱説明書では、用途として浴室・トイレ・洗面所・居間・事務所・店舗が挙げられており、浴室にも設置できます。ただし、内釜式風呂が設置された浴室には取り付けできません。浴室の条件は見積もりの際に写真で確認します。
まとめ|VD-13Z3の交換と後継機種選び
VD-13Z3は、1991年に発売され1994年に生産を終了した三菱電機の天井埋込形換気扇です。VD-13Z2の翌年に登場し、金属ボディの標準タイプとしては現行機種と同じ286mmのグリルを初めて採用した世代で、今動いている製品はすべて30年以上使われています。後継機種のVD-13Z14は、埋込寸法205mm角・排気口φ100mm・グリル寸法286mmが共通しているため、天井の開口やダクトを活かしたまま交換できるのが基本です。
風量はVD-13Z3が50Hz寄り、VD-13Z14が60Hz寄りの特性という違いはありますが、劣化したVD-13Z3から交換すれば、多くの場合で換気の効きと静かさを実感できます。交換には電気工事士の資格が必要なため、型番の銘板と天井まわりの写真を用意して業者に相談するのが近道です。異音や換気不足が出る前に、計画的な交換を検討してみてください。
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