VFR-36Yの交換と後継機種まとめ|工事手順も写真付きで解説

コンロの上、吊戸棚の下にすっぽり収まった横長の箱形の換気扇。その銘板に「VFR-36Y」とあれば、東芝の浅形レンジフードファンです。販売店が公開している東芝の換気扇の新旧対比表では、VFR-36Yは1974年に登場し、1980年と1992年の版にも載っている息の長い機種です。長く販売されていた機種なので、築年数のたった住宅のキッチンで今も使われていることがあります。
先に答えを書いておくと、VFR-36Yの交換先は日本キヤリア(旧東芝キヤリア)のVFR-36Lです。同じ新旧対比表では、VFR-36Lへの取り替えを前提にした注記がVFR-36Yにも付いています。ただしその注記は「VFR-36A、36Yからの取替注意(VFR-36Lは製品幅2mm大)」という注意書きがあり、何も確かめずにそのまま差し替えられるとは限りません。わずか2mmですが、吊戸棚の側板や壁との間に余裕がない納まりでは、この差が作業の進め方を左右します。
この記事では、VFR-36Yがどんな換気扇なのか、VFR-36Lとどこが変わるのか、取り外しのときに何を確かめればよいのか、そして資格がなくても触れてよい作業と資格が要る作業の境目を、キッチンのレンジフード交換の現場の流れに沿って解説します。壁に直接はめ込むプロペラ換気扇とも、浴室やトイレの天井換気扇とも違う、浅形レンジフードならではの確認ポイントを中心にまとめました。
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目次
VFR-36Y交換の結論まとめ
交換を考え始めた段階で押さえておきたいのは、「何に替わるのか」「そのまま付くのか」「自分でできるのか」の3点です。下の表では、それぞれの答えを根拠とあわせて一行ずつ整理しました。
| 確認したいこと | VFR-36Yの場合 |
|---|---|
| 旧機種の種類 | 東芝 レンジフードファン(浅形)。キッチンのコンロ上、吊戸棚の下などに取り付ける台所用 |
| 後継機種 | 日本キヤリア(旧東芝キヤリア)VFR-36L(浅形・ターボファンタイプ・60cm巾) |
| そのまま付くか | VFR-36Lは製品幅がVFR-36Yより2mm大きいため「取替注意」。吊戸棚や壁とのすき間、排気口の位置を現地で確認 |
| 工事時間 | 現場の状況によって異なる(排気方向の変更、屋外側の部材交換、電源工事の有無で変わる) |
| DIY可否 | VFR-36Lはプラグ付きコード。既存のコンセントに差すだけなら資格は不要。コンセントの新設・移設やアース工事は電気工事士の作業。重さ11.5kgの本体を頭上で支えるため、実際には業者向きの作業 |
| おすすめの交換方法 | 銘板・幅・排気口・電源を写真で確認できる専門業者に依頼し、本体ごとVFR-36Lへ交換 |
後継機種のVFR-36Lは、日本キヤリアのレンジフードファンのページに「浅形」として掲載されている機種で(2026年10月時点)、横幅60cm、接続ダクト径は直径150mmとされています。風量は強運転で50Hz 720㎥/h・60Hz 730㎥/h、ファンはターボファンで、照明にはLED電球が付きます。なお、販売店の中には「取扱い終了」「生産完了品」と表示しているところもあるため、手配できるかどうかは交換時期が決まった時点で確認が必要です。
一方で、互換性については「同じ系列だから大丈夫」と言い切れない事情があります。先ほどの新旧対比表の注記のとおり、VFR-36Lは製品幅がVFR-36Yより2mm大きくなっています。吊戸棚の下にぴったり収めた造作や、片側を壁に寄せた納まりでは、この2mmが入るかどうかを最初に確かめる必要があります。また、VFR-36Yで使われていた屋外側のウェザーカバー(RW-1M)は、販売店に掲載されたメーカーの適合機種一覧にVFR-36Lが含まれていないため、屋外側の部材も含めて現地で確認するのが確実です。
工事時間については、換気生活の案内では浴室やトイレの換気扇の交換を15分〜30分程度としていますが、レンジフードは本体が大きく、フードの固定や排気口の接続、屋外側の確認が加わるため、同じ時間では収まらないのが普通です。どのくらいかかるかは排気の取り回しや下地の状態によって変わるため、この記事では「現場の状況によって異なる」とお伝えしておきます。設置状況の写真をLINEで送っていただければ、作業内容の見通しとあわせてご案内します。
DIYについては、VFR-36Lの電源がビニルプラグ付きコードであることが販売店の仕様表で確認できます。既存のコンセントに差し込むだけなら電気工事士の資格はいりません。ただし、VFR-36Yの電源がどう取られているかは今回確認した資料には載っておらず、現場によっては壁の中の配線に直接つながっていることも考えられます。その場合にコンセントを新しく設ける作業は、第二種電気工事士の資格がなければ行えません。さらに、VFR-36Lの質量は11.5kgあり、コンロの上で本体を持ち上げたまま固定する作業になるため、安全を考えると業者への依頼をおすすめします。
実際のVFR-36Y交換の様子
換気生活の施工事例のなかに、VFR-36YやVFR-36Lの交換が明記された事例は今回の調査では見つかりませんでした。そこでここでは、VFR-36YからVFR-36Lへ入れ替えるときに多い流れを、よくある現場の一例として紹介します。舞台は、平成の初めごろに建てられた戸建て住宅の壁付けキッチンです。コンロの上に吊戸棚があり、その下にVFR-36Yが取り付けられ、外壁側へ排気している、という想定でお読みください。
Before:吊戸棚の下に収まったVFR-36Y
工事の日に最初に行うのは、今付いているレンジフードが本当にVFR-36Yかどうかの確認です。VFR-36の系列には、VFR-36Yのほかに「VFR-36YP」「VFR-36YM」「VFR-36YM1」、センサー付きの「VAR-36Y」など、よく似た形名がいくつもあります。新旧対比表では、VFR-36YPはVFR-36LPへ、VFR-36YMとVFR-36YM1はVFR-36LMへ、VAR-36YはVFR-36Lで代替と、それぞれ置き換え先が分かれています。1文字の違いで選ぶ機種が変わるため、銘板の形名を写真に撮って記録しておきます。
形名が確定したら、フードの横幅と周囲のすき間を測ります。VFR-36Lは製品幅が2mm大きいので、吊戸棚の側板や隣の壁とのあいだにその分の余裕があるかを確かめます。あわせて、コンロからフード下端までの高さ、コンセントの位置と形、フードの奥にある排気口の向き、屋外側のウェザーカバーの状態もひととおり見ておきます。長く使われてきたVFR-36Yは、フードの縁やガードに油が層のように重なり、スイッチの周りがべたついていることがよくあります。
使い勝手の面では、「強にしても煙が吸われにくくなった」「回り始めにうなるような音がする」「照明がつかない」といった声が交換のきっかけになりやすい部分です。こうした症状は、モーターの劣化や電球ソケットの傷みなど、本体の寿命に関わるものが多く、部品だけを替えて延命するよりも本体ごと替えたほうが確実です。
取り外し作業:ガードを外し、フードを吊戸棚から下ろす
取り外しは、電源を切るところから始めます。プラグでつながっていればコンセントから抜き、配線が直接つながっている場合は分電盤でキッチンの回路を切ってから、検電器で電気が来ていないことを確かめます。どちらの方式かわからない段階では、念のため分電盤側も切っておくと安心です。
次に、フードの下面にあるガードを外します。VFR-36Yには、ガードと入れ替えて使う別売のグリスフィルター「RF-1」が用意されていたため、現場によってはガードの代わりにアルミのフィルターが付いていることもあります。ガードやフィルターを外すとファンとモーターが見えるので、ファンの汚れ具合や回転のがたつきを確認しておきます。
そのうえで、本体を吊戸棚や下地に固定しているねじを外していきます。レンジフードは横に長く重さもあるため、片側のねじを外すと反対側に負荷がかかります。二人で本体を支えながら、排気口とのつながりを切り離し、ゆっくりと下ろします。外したあとに排気口やダクトの中から油混じりのほこりが落ちてくることがあるので、コンロとワークトップは事前に養生シートで覆っておきます。
配線処理:電源の取り方とアースを確かめる
本体を下ろしたら、電源まわりを確認します。VFR-36Lはビニルプラグ付きコード(125V 7A)で電源をとる方式なので、本体の近くにコンセントがあることが前提です。吊戸棚の中や、フードの上の壁にコンセントがあれば、その位置にVFR-36Lのコードが無理なく届くかを確かめます。
古い住宅では、差し込み口が油やほこりで黒ずんでいたり、プラグの刃が変色していたりすることがあります。コンロの熱と油煙にさらされる場所なので、差し込み口の汚れは発熱の原因にもなります。状態が悪いときは、コンセント本体の交換を提案します。また、VFR-36Lの部材表には黄銅のアースねじが記載されており、アース線をつなぐ前提の構造になっています。アース端子付きのコンセントがあるか、アース線をどこにつなぐかも、このタイミングで確認します。
もしVFR-36Yが壁の中の配線に直接つながっていた場合は、プラグ付きコードのVFR-36Lを使うためにコンセントを新しく設ける必要があります。これは第二種電気工事士の資格が必要な作業なので、資格を持つ作業員が対応します。アース端子付きのコンセントがなく、アースを新たに取る工事が必要な場合も同様です。電源工事が加わると作業の段取りも変わるため、ご相談の段階でコンセントの写真をいただけると当日の流れがスムーズになります。
新型設置:VFR-36Lの排気方向を合わせて固定する
電源の確認が終わったら、VFR-36Lの取り付けに移ります。VFR-36Lは排気方向を5方向から選べる構造とされており、付属品として逆流防止シャッター付きの排気口、遮蔽板、排気口と遮蔽板の固定用ねじ、本体固定用の木ねじ、木枠接続用のソフトテープが同梱されています。既存の排気口の位置に合わせて排気方向を決め、使わない開口は遮蔽板でふさいでから本体を持ち上げます。
ここで効いてくるのが、Beforeで測った幅の余裕です。製品幅が2mm大きくなる分、吊戸棚の側板とのすき間が少ない現場では、本体を斜めに入れてから水平に戻すなど、納め方を工夫します。どうしても入らない場合は、周囲の造作の調整が必要になることもあるため、事前に確認しておくことが大切です。
位置が決まったら、本体を木ねじで固定し、ソフトテープで木枠とのすき間をふさいで、排気が室内に漏れないようにします。電源コードをコンセントに差し込み、アース線を接続したら、ガードを取り付けて完成です。VFR-36Lは本体内部の汚れを減らすため、別売のグリスフィルターの装着が販売店の商品説明で推奨されています。フィルターを使うかどうかも、この段階でご相談のうえ決めます。
After:強・弱の運転と照明、屋外の排気を確かめる
取り付け後は、試運転で動作を確かめます。VFR-36Lのスイッチは本体中央にあり、強と弱を切り替えられます。強・弱それぞれで運転して、異音や振動がないか、コンロの上の煙を吸い込んでいるかを見ます。販売店の仕様表では、騒音値は強運転で50Hz 45dB・60Hz 45.5dB、弱運転で33dB・32dBとされています。VFR-36Yの騒音値は今回確認した資料には載っていないため数値での比較はできませんが、試運転では強・弱それぞれの音を実際に聞いて確かめていただきます。
照明はLED電球(一般電球40W形相当)で、ランプカバーはスイング開閉式です。電球を交換するときにカバーを開け閉めしやすい構造なので、使い方とあわせてご説明します。最後に屋外へ回り、排気口から空気が出ていること、ウェザーカバーや屋外の開口に雨が入り込むすき間がないことを確認します。取り外したVFR-36Yを引き取り、キッチンまわりを清掃して作業は終わりです。
VFR-36Yとは?(特徴・仕様)
VFR-36Yは、東芝が販売していた台所用のレンジフードファンです。日本キヤリアの現在のレンジフードファンのラインナップでは、同じ系列のVFR-36Lが「浅形」に分類されています。レンジフードファンには、メーカーの資料で「ブース形(深形)」と「浅形」と呼び分けられる種類があり(三菱電機のレンジフードファンのページでも「ブース形(深形)・浅形」と表記)、VFR-36の系列は浅形の側に入ります。コンロの上に取り付け、立ちのぼる油煙をフードで受けてファンで屋外へ排気する台所用の設備です。
ここで、同じ東芝の台所用換気扇であるVFH系の壁付け換気扇との違いにも触れておきます。VFH系は、外壁に開けた四角い穴にプロペラ換気扇をはめ込むタイプで、フードは付きません。それに対してVFR-36Yはフードとファンが一体になったレンジフードで、交換で確認するのは壁穴の寸法ではなく、フードの幅、排気口の向きと位置、本体の固定方法です。同じ「キッチンの換気扇」でも、交換の考え方がまったく異なります。
VFR-36Yの仕様について、今回の調査で確認できた内容は次のとおりです。発売が1974年と古く、メーカーの現在の公開資料にはVFR-36Y単独の仕様表が見当たらなかったため、販売店に掲載された新旧対比表と、部材の適合機種一覧から読み取れる事実にとどめています。
| 項目 | VFR-36Yについて確認できた内容 |
|---|---|
| メーカー | 東芝(換気扇事業は現在の日本キヤリア) |
| 種類 | レンジフードファン(台所用。同系列の後継VFR-36Lはメーカー分類で「浅形」) |
| 掲載年 | 1974年。1980年・1992年の版にも掲載(東芝 換気扇 新旧対比表) |
| 後継の扱い | VFR-36Lへ置き換え。「VFR-36A、36Yからの取替注意(VFR-36Lは製品幅2mm大)」の注記あり |
| 適合部材(屋外) | ウェザーカバー RW-1M(金属製・浅形用)の適合機種にVFR-36Yが記載 |
| 適合部材(フィルター) | グリスフィルター RF-1(ガードと入れ替えて使用)の適合機種にVFR-36Yが記載 |
| 風量・騒音・消費電力 | メーカーの資料では確認できませんでした |
| 横幅・奥行・質量 | メーカーの資料では確認できませんでした(VFR-36Lより製品幅が2mm小さいことのみ確認) |
| 電源の取り方 | メーカーの資料では確認できませんでした(現地で確認) |
| 現在の状況 | 新旧対比表では旧機種の扱いで、置き換え先はVFR-36L(生産終了時期は資料で確認できず) |
表からわかるとおり、VFR-36Yは屋外に取り付けるウェザーカバーRW-1Mの適合機種に入っています。RW-1Mは「屋外に取付けて風雨の吹きつけるのを防止します」と説明されている浅形用の部材で、外壁側へ排気する設置で使われるものです。お使いのVFR-36Yの外壁側に金属製のカバーが付いていれば、この部材である可能性があります。
グリスフィルターRF-1は、レンジフードのガードと入れ替えて取り付け、ガードを締めていたねじでそのまま固定するアルミ製のフィルターです。販売店の商品説明では、フィルター部がアルミとされ、VFR-36Y・37Y・36YP・37YP・36YM1用と記載されています(VFR-36YM1には付属品として同梱されていたとの記載もあります)。VFR-36Lはこの適合一覧に含まれていないため、交換後にRF-1をそのまま使い回すことはできない点に注意が必要です。
VFR-36Yと兄弟形名の見分け方
VFR-36Yの交換でつまずきやすいのが、よく似た形名の存在です。新旧対比表のレンジフードファンの欄には、VFR-36の系列だけでも多くの形名が並んでおり、それぞれ置き換え先が決まっています。銘板の末尾の文字を読み違えると、後継機種の選び方そのものがずれてしまいます。
| 銘板の形名 | 新旧対比表での置き換え先 | 対比表の備考(要旨) |
|---|---|---|
| VFR-36Y | VFR-36L | VFR-36Lは製品幅2mm大のため取替注意 |
| VFR-36YP | VFR-36LP | VFR-36LPは製品幅2mm大のため取替注意 |
| VFR-36YM/VFR-36YM1 | VFR-36LM | VFR-36LMは製品幅2mm大のため取替注意(LMは2023年版で受注品の表記) |
| VAR-36Y | VFR-36L | 製品幅2mm大のため取替注意。センサー自動運転機能なし |
| VFR-37Y | VFR-37L | VFR-37Lは製品幅2mm大のため取替注意(37系。公式ページで同系のVFR-37LPは70cm巾) |
たとえば、末尾に「P」が付くVFR-36YPの置き換え先はVFR-36LPで、VFR-36LPは販売店の仕様表で「大風量タイプ」とされています。また、VAR-36YからVFR-36Lへ替える場合は、センサーによる自動運転の機能がなくなることが備考に書かれています。「VFR-37Y」は37の系列で、置き換え先の注記もVFR-37Lに付いています(日本キヤリアのページでは同系のVFR-37LPが70cm巾)。60cm巾のVFR-36Lとは別の系列なので、取り違えないようにしてください。銘板が油でかすれて読めない場合は、フードの横幅と銘板の写真を一緒に送っていただければ、形名の判別からお手伝いします。
VFR-36Yの交換が必要なタイミング
VFR-36Yは1974年に登場し、1990年代の版まで対比表に載っている機種です。後の世代のVFR-36Fが2005年に登場していることから、今お使いのVFR-36Yは、設置からかなりの年数がたっているものがほとんどだと考えられます。レンジフードは油煙と熱にさらされる過酷な場所で働く設備なので、ここでは浅形レンジフードに特有の傷み方を中心に、交換を考えるサインを紹介します。
異音・換気不足
いちばん気づきやすいのが音の変化です。ファンに油が固まって付くと、回転のバランスが崩れて「ゴー」という振動音や、フード全体がびりびりと響く音が出るようになります。さらにモーターの軸受けがすり減ってくると、運転を始めた直後にうなるような音がしたり、回り出すまでに時間がかかったりします。こうした音は掃除で一時的に軽くなることもありますが、軸受けの摩耗そのものは元に戻りません。
換気不足のサインとしては、焼き魚や炒め物の煙がフードの外にあふれる、調理のあとのにおいがいつまでも残る、吊戸棚の扉や天井に油の膜がつきやすくなった、といった変化が挙げられます。浅形レンジフードは、フードの奥行きで煙を受け止める構造です。ファンの回転が落ちると、フードの外へ逃げる煙が一気に増えます。ガードやファンを掃除しても改善しない場合は、本体の劣化を疑ってください。
経年劣化
長く使われたVFR-36Yでは、目に見える部分にも劣化が表れます。フードの塗装がはがれて下地にさびが出る、ガードの網がゆがむ、スイッチのつまみが割れたり回りにくくなったりする、照明のソケットが傷んで電球を替えてもつかない、といった症状です。特に照明とスイッチは毎日触る部分なので、不具合が出ると使い勝手が大きく落ちます。
目に見えない部分では、電源コードやプラグの被覆の硬化、コンセントの差し込み口にたまった油汚れが心配です。コンロの熱で温められた場所に、油とほこりが長年たまると、トラッキング現象による発熱のおそれが高まります。プラグやコンセントに焦げたような変色があれば、すぐに使用をやめて点検を依頼してください。屋外側では、ウェザーカバーや排気口のシャッターがさびて動かなくなり、雨風や虫が入り込むこともあります。
使用年数の目安
換気扇の寿命は、一般的に約10年〜15年といわれています。レンジフードも例外ではなく、モーターや軸受け、配線部品の傷みは使用年数とともに進みます。VFR-36Yは後継の世代がすでに何代も入れ替わっている機種なので、目安の年数を大きく超えて使われているケースが大半です。
| 気づいたこと | 考えられる原因 | 交換の判断 |
|---|---|---|
| 運転中のうなり音・振動 | ファンの汚れの固着、軸受けの摩耗 | 掃除で改善しなければ本体交換 |
| 煙がフードからあふれる | 回転数の低下、排気経路の詰まり | 排気側を確認したうえで交換を検討 |
| 照明がつかない・スイッチが固い | ソケットやスイッチ部品の劣化 | 部品の入手が難しく、本体交換が現実的 |
| プラグ・コンセントの変色 | 油とほこりによる発熱 | すぐに使用を中止して点検 |
| 屋外のカバーのさび・シャッター不良 | 雨風による劣化 | 屋外側の部材も含めて交換を検討 |
上の表のうち、照明やスイッチの不具合は「まだ換気はできているから」と後回しにされがちです。しかし、VFR-36Yのように古い機種では交換部品を手に入れること自体が難しく、修理で直せる見込みは高くありません。毎日の料理で困る前に、計画的にVFR-36Lへの交換を考えておくと、キッチンが使えない時間を短くできます。
VFR-36Yの後継機種と互換性
ここからは、後継機種VFR-36Lの位置づけと、VFR-36Yからの変更点、他メーカー品を選ぶ場合の考え方を順に見ていきます。
公式後継機種の型番
VFR-36Yの後継機種は、日本キヤリアのVFR-36Lです。販売店が公開している東芝の換気扇の新旧対比表(レンジフードファン)では、VFR-36の系列としてVFR-36A・VFR-36Y(1974年)、VFR-36F(2005年)、VFR-36V(2012年)、VFR-36L(2016年)が並んでいます。そして、VFR-36Aの欄に「VFR-36A、36Yからの取替注意(VFR-36Lは製品幅2mm大)」という記載があります。つまり、置き換え先はVFR-36Lで決まっている一方、寸法の差を確かめたうえで交換するよう促されている、ということです。
VFR-36Lは2016年発売で、日本キヤリアのレンジフードファンのページに、浅形の60cm巾・接続ダクト径直径150mmの機種として掲載されています(2026年10月時点)。一方で、一部の販売店ではVFR-36Lが「取扱い終了」「生産完了品」と表示されている例もありました。メーカーの掲載と販売店の在庫状況が一致しない場合があるため、交換の時期が決まったら、手配できるかどうかを早めに確認しておくと安心です。
サイズ・性能の違い(比較表)
VFR-36YとVFR-36Lの違いを、確認できた範囲で比べると次のようになります。VFR-36Yの数値の多くはメーカーの現在の資料では確認できなかったため、その項目は空欄にせず「確認できず」と明記しています。
| 項目 | VFR-36Y | VFR-36L |
|---|---|---|
| 種類 | レンジフードファン(台所用) | レンジフードファン 浅形・ターボファンタイプ(標準タイプ) |
| 登場 | 1974年(1980年・1992年の版にも掲載) | 2016年 |
| 横幅 | 確認できず(VFR-36Lより2mm小さい) | 600mm(60cm巾) |
| 奥行 | 確認できず | 640mm |
| 接続ダクト径 | 確認できず | 直径150mm |
| ファン | 確認できず | ターボファン(羽根径30cm) |
| 風量(強/弱) | 確認できず | 強 720/730㎥/h、弱 410/380㎥/h(50/60Hz) |
| 騒音(強/弱) | 確認できず | 強 45/45.5dB、弱 33/32dB(50/60Hz) |
| 消費電力(強/弱) | 確認できず | 強 55/65W、弱 40/41W(50/60Hz) |
| 電源 | 確認できず(現地で確認) | 単相100V・ビニルプラグ付コード |
| スイッチ | 確認できず | 強弱切替(中央配置) |
| 照明 | 確認できず | LED電球(一般電球40W形相当・4.9W)、スイング開閉式ランプカバー |
| シャッター | 確認できず | 風圧シャッター付、逆流防止シャッター付排気口が付属 |
| グリスフィルター | RF-1が適合 | 別売のグリスフィルター装着を推奨(RF-1は適合一覧に記載なし) |
| ウェザーカバー | RW-1Mが適合 | RW-1Mの適合一覧に記載なし |
| 質量 | 確認できず | 11.5kg |
寸法の面で必ず押さえておきたいのは、製品幅が2mm大きくなる点です。吊戸棚の幅いっぱいに収めた設置では、この差がそのまま「入るか入らないか」の分かれ目になります。また、販売店の商品説明では、VFR-36Lは奥行きを従来より65mm深くして油煙や臭気を捉えやすくしたとされています。比較の相手はVFR-36Lの一つ前の世代と考えられ、VFR-36Yとの差を示す数値ではありませんが、フードの手前側の出寸法が変わる可能性があるため、吊戸棚の扉や頭上の空間との関係も見ておくとよいでしょう。
使い勝手の面では、強弱の切り替えができるスイッチ、LED電球の照明、スイング開閉式のランプカバー、黒色部の撥油性塗装、保護ガードといった装備がそろっています。排気方向を5方向から選べるため、VFR-36Yの排気口の位置に合わせやすいのも交換工事では助かる点です。付属の遮蔽板で使わない開口をふさぐ仕組みなので、既存の排気口を生かした取り付けがしやすくなっています。
他メーカーとの互換性
浅形のレンジフードは、三菱電機やパナソニックなど他のメーカーからも発売されています。ただし、本体の幅が同じ60cmでも、排気口の位置や大きさ、本体を固定するねじの位置、接続できるダクトの形(丸ダクトか角ダクトか)は、メーカーや機種ごとに異なります。VFR-36Yの排気口に合わせて他メーカー品を取り付けるには、排気の取り回しや下地の加工が必要になることがあります。
また、屋外側のウェザーカバーやグリスフィルターなどの部材もメーカーごとの専用品になります。東芝系のVFR-36Lであっても、VFR-36Y用のRW-1MやRF-1がそのまま使えるわけではないことは先ほど見たとおりです。他メーカー品を検討する場合は、候補機種の据付説明書で排気口の位置と寸法を確認し、既存の設置とどこまで合うかを事前に見極めることが欠かせません。特別な事情がなければ、メーカーが置き換え先として示しているVFR-36Lを軸に考えるのが、確認項目が少なく済む選び方です。
VFR-36Y交換の方法と工事の流れ
VFR-36Yの交換方法は、自分で行うか、専門業者に依頼するかのどちらかです。浅形レンジフードの交換は、天井の換気扇よりも本体が大きく重く、排気口の接続や屋外側の確認も必要になります。まずは、どこを見ながら作業するのかを図で確認しておきましょう。

図:浅形レンジフードの各部名称と、取り外し時に確認する6つのポイント
図の右側に並べた6つのポイントのうち、1の形名と3の製品幅は、本体を外す前に確認できます。2の電源と4の排気方向は、ガードを外したり本体を少し下ろしたりした段階で見えてきます。5の固定部と下地、6の屋外側の部材は、本体を外したあとや屋外に回って確かめる項目です。作業の順番に沿って確認していくと、見落としを減らせます。
DIY手順
VFR-36YからVFR-36LへのDIY交換が現実的なのは、既存のコンセントがVFR-36Lのプラグをそのまま差し込める位置にあり、本体の幅と排気口の位置にも問題がない場合に限られます。コンセントの新設や移設、アースを新たに取る工事は第二種電気工事士の作業になるため、資格がない場合は行えません。そのうえで、一般的な流れは次のとおりです。
- 銘板でVFR-36Yであることを確かめ、VFR-36Lの据付説明書を読んで取り付け条件を確認する
- 吊戸棚まわりのすき間を測り、製品幅が2mm大きいVFR-36Lが収まるかを確かめる
- コンロとワークトップを養生し、安定した脚立を2台用意して二人で作業できるようにする
- プラグを抜き、念のため分電盤でもキッチンの回路を切る
- ガード(またはグリスフィルター)を外し、本体の固定ねじを外して二人で本体を下ろす
- 排気口の位置と向き、コンセントとアースの状態、固定部の下地を確認する
- VFR-36Lの排気方向を合わせ、使わない開口を遮蔽板でふさぐ
- 本体を持ち上げて木ねじで固定し、ソフトテープで木枠とのすき間をふさぐ
- プラグを差し込み、アース端子付きコンセントのアース端子にアース線を接続し、ガードを付けて強・弱・照明の動作を確かめる
手順にすると単純に見えますが、実際には11.5kgの本体をコンロの上で持ち上げたまま、位置を合わせてねじを締める作業になります。一人で支えながら固定するのは難しく、落下すればコンロやワークトップを傷めるだけでなく、けがにつながります。また、VFR-36Yを外してみたら排気口の位置がVFR-36Lの選べる排気方向と合わない、下地が油を吸って弱っていてねじが効かない、ということもあります。その時点で作業が止まると、キッチンの換気が使えない状態が続いてしまいます。
こうした事情から、DIYは「できなくはないが、条件がそろった場合に限る」と考えてください。少しでも不安があれば、取り外す前の段階で専門業者に相談するほうが、結果的に早く確実に終わります。
業者依頼の流れ
換気生活にVFR-36Yの交換をご相談いただく場合は、次のような流れで進みます。写真を先に送っていただくと、形名の確認や必要な作業の見通しを、現地に伺う前にお伝えしやすくなります。
- LINEまたはお問い合わせフォームからご相談いただく
- 銘板、フード全体、吊戸棚とのすき間、コンセント、屋外側の排気口の写真を送っていただく
- 写真をもとに、後継機種と作業内容(排気方向の変更・電源工事・屋外部材の有無)をご案内する
- 日程を調整し、工事日を決める
- 当日、旧機種の取り外し、電源と下地の確認、VFR-36Lの取り付け、試運転を行う
- 使い方とお手入れの方法をご説明し、取り外したVFR-36Yを引き取って完了
写真の撮り方で迷ったら、「銘板のアップ」「フードを正面から見た全体」「フードの横から見た吊戸棚とのすき間」「コンセントのアップ」「外壁側から見た排気口」の5枚があれば十分です。特に横から見たすき間の写真は、製品幅の2mmの差が問題になるかどうかを判断する手がかりになります。
注意点
VFR-36Yの交換でまず注意したいのは、形名の確認と寸法の差です。VFR-36YPやVFR-36YMのように似た形名が多く、置き換え先も分かれています。さらに、どの置き換え先でも新旧対比表には「製品幅2mm大」の取替注意が付いています。形名と幅の二つを最初に確定させることが、交換をスムーズに進めるいちばんの近道です。
次に、屋外側の部材です。VFR-36Yで使われていたウェザーカバーRW-1Mは、適合機種一覧にVFR-36Lが含まれていません。屋外のカバーが傷んでいる場合や、排気口の位置が変わる場合は、屋外側の部材も見直す必要があります。マンションなどの集合住宅では、外壁や屋外側の部材が共用部分にあたることがあるため、管理会社への確認も忘れないようにしましょう。
最後に、コンロとの位置関係です。レンジフードとコンロのあいだの距離は、火災予防条例や機器の据付説明書で決められています。古い住宅では、コンロをガスからIHに替えたり、コンロ自体を入れ替えたりしていることもあり、VFR-36Yを付けた当時と条件が変わっている場合があります。交換のタイミングで、現在のコンロとの距離が据付説明書の条件を満たしているかを確かめておくと安心です。
VFR-36Y交換・後継機種に関するよくある質問
Q. VFR-36Yを外したあと、どの形名を付ければよいですか?
A. 日本キヤリア(旧東芝キヤリア)のVFR-36Lです。販売店が公開している東芝の新旧対比表では、VFR-36Yからの取り替えについてVFR-36Lを前提にした注記が付いています。ただし「VFR-36Lは製品幅2mm大」の取替注意があるため、吊戸棚や壁とのすき間を確認してから交換します。
Q. 製品幅が2mm大きいと、具体的に何が困りますか?
A. 吊戸棚の幅いっぱいに収めている場合や、片側を壁や側板にぴったり寄せている場合に、VFR-36Lがそのままでは入らないことがあります。両側にすき間があれば問題になりにくいので、フードを横から撮った写真で余裕を確かめるのが確実です。
Q. 銘板に「VFR-36YP」と書いてあります。VFR-36Lで大丈夫ですか?
A. 新旧対比表では、VFR-36YPの置き換え先はVFR-36LPとされています。VFR-36LPは販売店の仕様表で「大風量タイプ」とされる機種です。同じように、VFR-36YMやVFR-36YM1はVFR-36LMが置き換え先なので、銘板の末尾の文字まで確認してください。
Q. 今使っているグリスフィルター「RF-1」はVFR-36Lでも使えますか?
A. RF-1の適合機種はVFR-36Y・37Y・36YP・37YP・36YM1と記載されており、VFR-36Lは含まれていません。VFR-36Lでは別売のグリスフィルターの装着が推奨されていますが、適合品は交換時に確認してください。
Q. 資格がなくても、VFR-36Lへの付け替えはできますか?
A. VFR-36Lはプラグ付きコードなので、既存のコンセントに差し込むだけなら資格はいりません。ただし、コンセントの新設・移設や、アースを新たに取る工事には第二種電気工事士の資格が必要です。本体は11.5kgあり、コンロの上で持ち上げて固定する作業になるため、二人以上で行うか、業者に任せることをおすすめします。
Q. 屋外のウェザーカバーも交換が必要ですか?
A. 必ず交換が必要とは限りませんが、VFR-36Yに適合するウェザーカバーRW-1Mは、適合機種一覧にVFR-36Lが含まれていません。カバーがさびている場合や、排気口の位置が変わる場合は、屋外側の部材も含めて確認します。
Q. VAR-36Yを使っています。VFR-36Lに替えると何が変わりますか?
A. 新旧対比表では、VAR-36YはVFR-36Lで代替し、製品幅2mm大のため取替注意、センサー自動運転機能なしと記載されています。自動で運転が始まる機能はなくなり、スイッチで強弱を切り替えて使う形になります。
Q. 交換工事の日は、キッチンをどのくらい使えなくなりますか?
A. 作業中はコンロの上で本体を付け外しするため、コンロとワークトップは使えません。所要時間は排気方向の変更や電源工事、屋外部材の交換の有無で変わるため、写真を拝見したうえで作業の見通しをお伝えします。
まとめ|VFR-36Yの交換と後継機種選び
VFR-36Yは、1974年に登場した東芝の台所用レンジフードファンで、1990年代の版まで新旧対比表に載っている息の長い機種です。後継機種は日本キヤリアのVFR-36Lで、浅形・ターボファンタイプの60cm巾、接続ダクト径は直径150mm、強弱切替のスイッチやLED照明を備えています。排気方向を5方向から選べるため、既存の排気口に合わせやすい点も交換向きです。
一方で、VFR-36Lは製品幅がVFR-36Yより2mm大きく、新旧対比表でも取替注意とされています。似た形名のVFR-36YPやVFR-36YM、VAR-36Yでは置き換え先が変わること、グリスフィルターRF-1やウェザーカバーRW-1MがVFR-36Lの適合一覧に含まれていないことも、事前に知っておきたいポイントです。電源はプラグ付きコードですが、コンセントの状態や本体の重さを考えると、形名・幅・電源・排気口・屋外側をまとめて確認できる専門業者に依頼するのが確実です。煙の吸い込みが弱くなった、音が大きくなった、照明がつかないといった症状が出ていれば、銘板とフードまわりの写真をLINEで送って、交換の進め方をご相談ください。
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