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VD-10ZFC12の交換と後継機種まとめ|工事手順も写真付きで解説

天井の換気扇のグリルを外して銘板を見たら「VD-10ZFC12」。調べてみると、メーカーのサイトではすでに旧型品の扱いになっている。VD-10ZFC12は、本体のある部屋と隣の部屋を1台で換気する三菱電機の2部屋用換気扇で、2020年6月の発売から2年後の2022年には生産を終えています。設置からの年数が浅いぶん、不具合が出たときに「何に替えればいいのか」「替えたら何が変わるのか」が分かりにくい機種です。

先に結論をお伝えすると、VD-10ZFC12の交換先は現行機種の「VD-10ZFC14」です。三菱電機の業務支援サイトWIN2Kの仕様表と据付工事説明書で両機種を並べると、埋込寸法215mm角・ダクトφ100mm・羽根径115mm、風量120m³/h(50Hz)、騒音27dB(50Hz)、消費電力13W(50Hz)、質量2.0kgまで同じ数値が並びます。間にVD-10ZFC13(2022年発売)という世代を挟んでいますが、換気の能力は3世代を通して変わっていません。

では、何が変わったのか。本記事では、VD-10ZFC12・VD-10ZFC13・VD-10ZFC14の3世代をWIN2Kと各世代の取扱説明書・据付工事説明書で照らし合わせ、羽根の表面処理、シャッターの表記、外形寸法のわずかな差、そして10クラスの2部屋用ならではの「風量割合が約2:1で固定」という特徴までを整理しました。あわせて、メーカーが示す補修用性能部品の保有期間から、修理と交換の分かれ目がいつごろ来るのかも読み解きます。

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目次

VD-10ZFC12交換の結論まとめ

VD-10ZFC12の交換で判断に必要な情報を、項目ごとにまとめました。数値と仕様は三菱電機WIN2Kの製品ページ・仕様表と、各世代の取扱説明書・据付工事説明書で確認しています。

項目VD-10ZFC12の場合
後継機種VD-10ZFC14(2024年6月3日発売の現行品)※WIN2KではVD-10ZFVC7も現行機種として併記
本体の入れ替え埋込寸法□215mm・ダクトφ100mmが同じため、天井の開口とダクトをそのまま使えるのが基本
換気能力の変化なし(風量120/125m³/h、騒音27/27.5dB、消費電力13/15.5W。いずれも50Hz/60Hz)
工事時間換気生活の目安は浴室・トイレの換気扇で15分〜30分程度。2部屋用は副吸込側ダクトの付け直しがあり、ダクト補修やスイッチ交換が加わると長くなります
DIY資格がなければ不可(天井裏の電源線を本体の速結端子に直接つなぐ方式で、電気工事士の作業)
おすすめの交換方法同じ10クラス・2部屋用のVD-10ZFC14へ本体ごと交換。品番の確認と副吸込側の吸い込みチェックを事前に行うと判断が早い

後継機種は12→13→14と続いた系譜の最新版

WIN2KでVD-10ZFC12の製品ページを開くと、発売日は2020年6月1日、生産終了は2022年で、現行機種としてVD-10ZFC14とVD-10ZFVC7の2機種が表示されます。次の世代にあたるVD-10ZFC13のページも、発売日2022年6月1日・生産終了2024年で、現行機種は同じくVD-10ZFC14とVD-10ZFVC7です。VD-10ZFC12からVD-10ZFC14へは、ちょうど2年ごとのモデルチェンジを2回経た関係ということになります。

本記事では、通常の入・切スイッチで使う2部屋用の後継としてVD-10ZFC14を交換先にしています。VD-10ZFVC7はDCブラシレスモーターを採用した「2部屋用定風量タイプ」で、仕組みが異なる機種です。違いは後半の「後継機種と互換性」で触れます。

交換しても換気の強さは変わらない

年数の浅い機種の交換で気になるのが、「新しい機種にしたら音や吸い込みが変わるのでは」という点です。VD-10ZFC12とVD-10ZFC14は、WIN2Kの仕様表で風量・騒音・消費電力・質量・羽根径・ダクト径がすべて同じ数値です。設置当初と同じ換気の状態に戻す交換、と考えてよいでしょう。

違うのは外形寸法の幅で、VD-10ZFC12が210×398×286mm、VD-10ZFC14が210×396×286mm(高さ×幅×奥行)と、WIN2Kの表記で2mmの差があります。天井の開口寸法(□215mm)は同じなので、この差で取り付けに困ることは通常ありません。

DIYの可否と相談のしかた

VD-10ZFC12は、コンセントに差し込むプラグ式ではありません。WIN2Kの特長欄に「速結端子接続」とあるとおり、天井裏の電源線を本体の端子に直接差し込む方式です。据付工事説明書でも、電気工事は電気工事士が行うことが前提とされているため、資格のない方は本体の交換ができません。

換気生活では、天井の本体グリル、グリルを外したときに見える銘板、副吸込グリルの写真をLINEで送っていただければ、交換の進め方をご相談いただけます。品番が読み取りにくい場合も、写真から確認します。

実際のVD-10ZFC12交換の様子(写真付きレポート)

ここからは、トイレの天井に本体があり、隣の洗面所の天井に副吸込グリルが付いている「よくある現場の一例」として、VD-10ZFC12をVD-10ZFC14に入れ替える工程を追っていきます。

Before

トイレの天井に四角いグリルの換気扇があり、洗面所の天井には一回り小さい副吸込グリルが見えます。グリルを外すと本体に銘板があり、品番がVD-10ZFC12であること、そして製造年を確かめられます。VD-10ZFC12の取扱説明書には、製造年は本体に西暦4桁で表示されていると書かれています。2020年から2022年の数字であれば、この世代で間違いありません。

この世代の現場では、運転音の変化や洗面所側の吸いの弱さが相談のきっかけになることが多くあります。作業の前に、ティッシュペーパーを本体グリルと副吸込グリルに順に近づけ、両方の吸い込みを比べておきます。どちらか一方だけ弱いのか、両方とも弱いのかで、原因の見当がつけやすくなるからです。

取り外し作業

分電盤でブレーカーを切り、電気が来ていないことを確認してから作業に入ります。VD-10ZFC12は製造から年数がたっていない個体が多く、樹脂の硬化や爪の欠けといった劣化はまだ起きていないことがほとんどです。それでもグリルの取付ばねに無理な角度をかけないよう、片側に偏らせずに手前へ引き出します。グリル部には汚れ対策のデュアルバリアマテリアルが使われていますが、トイレでは綿ぼこりがグリルの細かいすき間にたまっていることがあります。

グリルを外したら本体を固定しているネジを外します。VD-10ZFC12は「本体スライド脱着式」で、本体をスライドさせて取り外せる構造です。本体を下ろす前に、天井裏で排気ダクトと副吸込ダクトの向きを確認します。10クラスの2部屋用は据付工事説明書で副吸込口の方向が選べない(固定)とされているため、既存のダクトもその位置に合わせて来ているはずです。

配線処理

本体を少し下げて、速結端子から電源線を抜きます。設置から数年の配線は被覆の傷みが少なく、先端もきれいなことが多いため、状態がよければそのまま新しい本体に使えます。据付工事説明書では電線の被覆の皮むきは10mmとされており、先端がこれより長くむけていたり、心線に折れぐせが付いていたりする場合は切り戻して整えます。

排気側と副吸込側の2本のダクトは、アルミテープをはがして接続口から抜きます。新築時に施工された現場では、ダクトが天井から吊られていて、接続口に無理な力がかかっていないことを確認しておくと、新しい本体に付け替えた後も外れにくくなります。

新型設置

VD-10ZFC14の据付工事説明書でも埋込寸法は□215mmで、VD-10ZFC12が入っていた開口にそのまま収まります。ここでひと手間かかるのが、本体フランジにある長穴(薄肉部)の処理です。VD-10ZFC14の説明書では、副吸込側のダクト接続口が付く部分の長穴は、本体を据え付ける前に必ず切り取るよう指示されています。これを忘れると副吸込側のダクト接続口を固定できません。

2本のダクトを段付構造の接続口に差し込んでアルミテープで巻き、電源線を速結端子に差し込みます。本体を天井に固定したらグリルを取り付け、洗面所側の副吸込グリルも、取付枠に合わせて押し上げて取り付けます。

After

ブレーカーを戻してスイッチを入れ、作業前と同じようにティッシュペーパーで本体グリルと副吸込グリルの吸い込みを確かめます。VD-10ZFC14の取扱説明書にも、ティッシュペーパーを副吸込グリルに近づけて吸い付くかどうかで簡易的に確認する方法が載っています。作業前に比べた結果と照らし合わせ、洗面所側の吸い込みが戻っていれば、配管ではなく本体側に原因があったことが確かめられます。

最後に、交換後のお手入れの目安をお伝えします。VD-10ZFC14の取扱説明書では、グリルの清掃は6か月に1度が目安とされ、ブレーカーを切って手袋を着用してから作業するよう案内されています。グリル裏の風量調節板は、外した場合は元どおりに取り付けてください。

VD-10ZFC12とは?(特徴・仕様)

【📷写真】VD-10ZFC12の製品本体の外観イメージ(天井埋込形・2部屋用・10クラス)

VD-10ZFC12は、三菱電機の「ダクト用換気扇 天井埋込形」のうち、1台で2部屋を同時に換気できる機種です。本体を浴室やトイレの天井に埋め込み、本体側面の副吸込接続口からダクトを伸ばして、隣の脱衣所や洗面所の天井に付けた副吸込グリルからも空気を吸い込みます。三菱電機の2部屋用の中では、天井開口215mm角・ダクトφ100mmの最も小さい寸法のグループに入り、本記事ではこれを「10クラス」と呼んでいます。

項目VD-10ZFC12の仕様
種類ダクト用換気扇 天井埋込形(2部屋同時換気)
発売・生産終了2020年6月1日発売/2022年生産終了(旧型品)
埋込寸法□215mm(据付工事説明書)
ダクト径・羽根径φ100mm・115mm
外形寸法高さ210×幅398×奥行286mm
風量120m³/h(50Hz)/125m³/h(60Hz)
騒音27dB(50Hz)/27.5dB(60Hz)
消費電力13W(50Hz)/15.5W(60Hz)
質量2.0kg
電源・接続単相100V・速結端子接続
本体と副吸込の風量割合約2:1で固定(変更不可)
適応スイッチP-10SW2(据付工事説明書)

※三菱電機WIN2Kの製品ページ・仕様表と、VD-10ZFC12の取扱説明書・据付工事説明書で確認した内容です。騒音は無響室での測定値で、実際の据付状態では反響音などでこれより高くなります。

2020年発売の12世代で採用された素材と構造

VD-10ZFC12の汚れ対策は、部位によって使う技術が分かれていました。WIN2Kの特長欄によると、グリル部にはデュアルバリアマテリアル、羽根部にはハイブリッドナノコーティング・プラスが採用され、羽根の形は高効率羽根「デルタシロッコファンβ」です。このほか「低騒音設計」「省電力設計の高効率モーター採用」も特長として記されています。

取り付けやすさに関わる項目としては、段付構造でテーピングしやすいダクト接続口、塩ビ管接続時に全方向7°まで向きを微調整できる構造、速結端子接続、本体スライド脱着式の4つが挙げられています。後継のVD-10ZFC14の特長欄にも同じ言葉で並んでいるので、施工の勝手は12世代から14世代までほぼ変わらないと考えてよいでしょう。

10クラスの2部屋用だけの「約2:1固定」と「副吸込口の向き固定」

VD-10ZFC12の取扱説明書・据付工事説明書は、同じ12世代の2部屋用6機種(VD-10ZFC12、VD-13ZFC12、VD-15ZFC12、VD-15ZFPC12、VD-17ZFC12、VD-18ZFPC12)の共通版です。そのため本文の多くは共通の説明ですが、ところどころにVD-10ZFC12だけの但し書きがあります。その代表が風量割合と副吸込口の向きです。

取扱説明書と据付工事説明書には、VD-10ZFC12の本体と副吸込の風量割合は約2:1で固定されており、変更できないと明記されています。ほかの機種ではグリル裏の風量調節板で割合を変えられる説明がありますが、VD-10ZFC12はその調整の対象外です。また、ほかの機種は副吸込口を3方向から選べるのに対し、VD-10ZFC12は副吸込口の方向を選べません。

この2点は、交換や不具合の切り分けで意味を持ちます。たとえば洗面所側の吸い込みが弱いと感じても、VD-10ZFC12では風量割合を調整して解決する方法がとれません。吸い込みの割合はもともと本体側が多い設計なので、副吸込グリルの汚れ、天井裏のダクトの外れやつぶれといった、配管側の原因を先に確かめることになります。

VD-10ZFLC12・VD-10ZFVC5との見分け方

同じ2020年6月には、品番がよく似たVD-10ZFLC12(24時間換気機能付)と、VD-10ZFVC5(2部屋用定風量タイプ)も発売されています。WIN2Kでは、VD-10ZFLC12の現行機種はVD-10ZFLC14、VD-10ZFVC5の現行機種はVD-10ZFVC7とされており、いずれもVD-10ZFC12とは交換先が異なります。天井から見た姿は似ているため、品番はグリルを外した本体の銘板で確認してください。「L」や「V」の有無で後継機種が変わる点に注意が必要です。

VD-10ZFC12の交換が必要なタイミング

VD-10ZFC12は製造から数年の機種なので、「寿命だから替える」というより、「不具合が出たときにどう判断するか」が中心になります。ここでは、メーカーの取扱説明書に書かれている内容をもとに、交換を考えるきっかけを整理します。

異音・換気不足

使い始めて数年しかたっていなくても、すぐに止めるべき症状があります。VD-10ZFC12の取扱説明書が挙げているのは、スイッチを入れても羽根が回らない、運転中に異常音や振動がある、回り方が遅い・不規則、こげ臭いにおいがする、据付部分に腐食や破損が見える、といった状態です。どれか一つでも当てはまれば、電源を切ったうえで点検・修理を頼むよう案内されています。

一方、「本体側は吸っているのに、副吸込側だけ吸わない」という症状は、先ほど触れたとおり配管側の原因であることが少なくありません。VD-10ZFC12は風量割合が約2:1で固定されているため、もともと副吸込側の吸い込みは本体側より控えめです。設置当初と比べて明らかに弱くなった場合に、副吸込グリルの清掃、天井裏のダクトの外れやつぶれの点検を順に進め、それでも改善しないときに本体の不具合を疑います。

経年劣化

製造から数年の個体では、グリルの黄ばみや樹脂の割れといった目に見える劣化はまだ少ないのが一般的です。その代わりに起こりやすいのが、使い方による汚れの蓄積です。トイレではほこり、浴室では湿気を含んだ汚れが羽根に付き、回転のバランスを崩して音の原因になることがあります。

取扱説明書では、急なドアの開閉や外風が強いときに、シャッターの閉まる音が聞こえることがあるが異常ではない、とも説明されています。風の強い日だけパタパタと鳴る音であれば、必ずしも故障とは限りません。音の出るタイミングをメモしておくと、点検の際に原因を絞り込みやすくなります。

使用年数の目安

VD-10ZFC12の取扱説明書では、設計上の標準使用期間を15年としています。この期間は製造年を起点に計算され、無償保証期間とは異なるものです。2020年から2022年に製造されたVD-10ZFC12なら、標準使用期間の終わりは2035年から2037年ごろになります。2026年の時点では、15年のうち4年から6年ほどが過ぎた計算です。

もう一つの目安が、補修用性能部品の保有期間です。取扱説明書では、補修用性能部品は製造打切り後6年間保有するとされています。VD-10ZFC12は2022年に生産を終えているので、単純に計算すると2028年ごろまでが部品保有の目安です。修理での対応を考えるなら早めの相談が向いており、この期間を過ぎた後の故障では、同じ寸法で換気能力も変わらないVD-10ZFC14への交換が現実的な選択になります。

VD-10ZFC12の後継機種と互換性

公式後継機種の型番

WIN2Kでは、VD-10ZFC12の現行機種としてVD-10ZFC14とVD-10ZFVC7が表示されています。本記事では依頼内容に沿ってVD-10ZFC14を後継機種として扱います。VD-10ZFC14は2024年6月3日に発売された現行品で、WIN2Kでは「ダクト用換気扇 天井埋込形」に分類され、特長欄に「2部屋同時換気」「副吸込グリル付(グリル部分着脱可能)」と記されています。

VD-10ZFVC7は「天井埋込形換気扇 2部屋用定風量タイプ」で、WIN2Kの特長欄には「DCブラシレスモーター採用による省エネ化」「ダクト配管による圧力損失の変化に左右されず安定した換気風量を確保」とあります。モーターの種類も運転の考え方もVD-10ZFC12とは異なるため、これまでどおり壁スイッチで入・切して使う場合は、同じ方式のVD-10ZFC14がそのまま置き換えられる機種です。

サイズ・性能の違い(比較表)

VD-10ZFC12と、中間世代のVD-10ZFC13、後継のVD-10ZFC14を並べると、変わった点と変わらない点がはっきり分かれます。下の図は、3世代をWIN2Kと取扱説明書・据付工事説明書で照らし合わせた結果です。

図:VD-10ZFC12・13・14の3世代比較(共通点と変わった点)

項目VD-10ZFC12(旧機種)VD-10ZFC13(中間世代)VD-10ZFC14(後継機種)
発売・生産終了2020年6月1日/2022年2022年6月1日/2024年2024年6月3日/現行
埋込寸法□215mm□215mm□215mm
ダクト径・羽根径φ100mm・115mmφ100mm・115mmφ100mm・115mm
外形寸法(高さ×幅×奥行)210×398×286mm210×398×286mm210×396×286mm
風量(50Hz/60Hz)120/125m³/h120/125m³/h120/125m³/h
騒音(50Hz/60Hz)27/27.5dB27/27.5dB27/27.5dB
消費電力(50Hz/60Hz)13/15.5W13/15.5W13/15.5W
質量2.0kg2.0kg2.0kg
羽根の表面処理(WIN2K)ハイブリッドナノコーティング・プラスWIN2Kに特長の記載なしデュアルバリアマテリアル
シャッター(WIN2Kの表記)排気・副吸込ともWIN2Kに特長の記載なし排気側
風量割合(取説)約2:1で固定約2:1で固定取説に記載なし
適応スイッチP-10SW2P-10SW2P-10SW2

※三菱電機WIN2Kの製品ページ・仕様表と、各世代の取扱説明書・据付工事説明書で確認した値です。

能力と寸法は3世代でそろっており、天井の穴もダクトもスイッチもそのまま生かせる組み合わせです。WIN2Kの特長欄で読み取れる変化は汚れ対策の素材で、12世代は「グリル部にデュアルバリアマテリアル」「羽根部にハイブリッドナノコーティング・プラス」と部位ごとに書き分けられていたのが、14世代では「グリル部と羽根部にデュアルバリアマテリアル」とひとまとめの表記になりました。VD-10ZFC13のページには特長欄そのものがなく、13世代の素材は確認できませんでした。

シャッターは、どの資料を見るかで書きぶりが違う項目です。WIN2Kの特長欄では、VD-10ZFC12が「高密閉風圧式シャッター搭載(排気・副吸込とも)」、VD-10ZFC14が「高密閉風圧式シャッター搭載(排気側)」となっています。ところがVD-10ZFC12とVD-10ZFC13の取扱説明書は、いずれも「排気側に風圧式シャッターを設けています」と排気側についてだけ説明しており、VD-10ZFC14の説明書も同じ文言です。少なくとも、屋外からの逆流を抑える排気側のシャッターは3世代とも共通です。

取扱説明書の構成も変わりました。12世代と13世代は、10クラスから18クラスまでの2部屋用6機種の共通版で、VD-10ZFC12・VD-10ZFC13だけの但し書きが随所に入っていました。14世代では、VD-10ZFC14と24時間換気機能付のVD-10ZFLC14の2機種だけを載せた10クラス専用の説明書になっています。VD-10ZFC14の説明書には風量割合の記載がなく、副吸込口の向きを選べるという記載も見当たりません。

他メーカーとの互換性

パナソニックや東芝(日本キヤリア)にも、2部屋を換気できる天井埋込形換気扇があります。ただし、埋込寸法、副吸込接続口の位置と向き、副吸込グリルの取付枠の寸法はメーカーごとに設計が異なります。VD-10ZFC12は副吸込口の向きが固定された機種なので、天井裏の副吸込ダクトもその位置に合わせて施工されています。他メーカー品に替えると、ダクトの引き回しを変えたり、開口を加工したりする必要が出てくるおそれがあります。

VD-10ZFC12からの交換では、同じ三菱電機の10クラスに、開口・ダクト径・能力・適応スイッチまで一致するVD-10ZFC14が用意されています。副吸込口の向きが固定された既存の配管にそのまま合わせられることを考えると、他メーカー品は天井やダクトに手を加える前提で検討する選択肢と考えておくとよいでしょう。

VD-10ZFC12交換の方法と工事の流れ

DIY手順

VD-10ZFC12の本体は電源線を速結端子に直接つなぐため、交換作業は電気工事士の資格がある方に限られます。VD-10ZFC14の据付工事説明書にも「電気工事は電気工事士の方が実施してください」と書かれています。ここでは有資格者の方に向けて、12世代と14世代の説明書を見比べたときに、入れ替えで差が出るポイントを中心に手順を並べます。

  1. グリルを外して銘板を確認し、VD-10ZFC12(「L」の付かない品番)であることと製造年を確かめる
  2. ブレーカーを切り、電気が来ていないことを確認する
  3. 本体の固定ネジを外し、スライド脱着の構造に沿って本体を下ろす
  4. 速結端子から電源線を、接続口から排気側・副吸込側の2本のダクトを外す
  5. VD-10ZFC14の本体フランジにある副吸込側の長穴(薄肉部)を、据付け前に切り取る
  6. 2本のダクトを接続口に差し込んでアルミテープで固定し、電源線(被覆の皮むき10mm)を速結端子に接続する
  7. 本体を固定してグリルと副吸込グリルを取り付け、ティッシュペーパーで両方の吸い込みを確認する

作業で押さえておきたいのは、浴室など湿気の多い場所での電気の安全対策です。VD-10ZFC12・VD-10ZFC14のどちらの説明書でも、湿気の多い場所ではアース端子を使ってD種接地工事を行い、漏電ブレーカーを取り付けるよう求められています。トイレに本体がある現場でも、既存のアースの状態は確認しておきましょう。また、VD-10ZFC14の説明書には、試運転で羽根が本体に接触している場合は羽根をモーター方向に押し込む、という処置が載っています。据付けの際に羽根を持って本体を扱わないよう注意書きもあるため、本体は外枠を持って作業します。

業者依頼の流れ

換気生活へのご依頼は、LINEでのご相談から始まります。VD-10ZFC12は同じ時期にVD-10ZFLC12やVD-10ZFVC5といった品番の近い機種が出ているため、最初に銘板の写真をいただくのがいちばんの近道です。

  1. LINEで「VD-10ZFC12の交換を相談したい」とメッセージを送っていただく
  2. グリルを外した銘板のアップと、トイレ側・洗面所側それぞれの天井の写真を送っていただく
  3. 銘板の品番からVD-10ZFC14で合うかを確認し、作業の段取りと日程を決める
  4. 当日はトイレと洗面所の両方の天井を確認したうえで、本体を入れ替え、副吸込ダクトを付け直す
  5. ティッシュで両方のグリルの吸い込みを確かめ、6か月ごとのグリル清掃についてご案内して完了

天井裏のダクトや配線の状態は、本体を下ろして初めて分かることがあります。写真で読み取れなかった不具合が見つかったときは、そのまま作業を進めず、状況と対応方法をお伝えしてから進め方を決めます。

注意点

1つ目は、品番の読み違いです。VD-10ZFC12のほかに、24時間換気機能付のVD-10ZFLC12、13世代のVD-10ZFC13など、よく似た品番が続いています。VD-10ZFC13であっても交換先は同じVD-10ZFC14ですが、VD-10ZFLC12の場合はWIN2Kで現行機種がVD-10ZFLC14とされており、スイッチも変わります。グリルの外から見ただけでは区別できないため、必ず銘板で確認してください。

2つ目は、副吸込側の吸い込みに対する期待値です。VD-10ZFC12は本体と副吸込の風量割合が約2:1で固定されており、同じ能力のVD-10ZFC14に替えても、副吸込側が本体側と同じ強さで吸うようになるわけではありません。洗面所や脱衣所の換気が以前より弱くなったと感じる場合は、本体の交換とあわせて天井裏の副吸込ダクトを点検しておくと、交換後の不満を防げます。

3つ目は、スイッチの扱いです。VD-10ZFC12とVD-10ZFC14の適応スイッチはどちらもP-10SW2と示されているため、問題なく動いているスイッチであれば、交換後もそのまま使えるのが基本です。スイッチの動作に不具合がある場合は、本体の交換と同じ機会に確認しておくと手間が一度で済みます。

VD-10ZFC12交換・後継機種に関するよくある質問

Q. VD-10ZFC12とVD-10ZFC13のどちらが付いているのか分かりません。交換先は変わりますか?

A. 変わりません。三菱電機のWIN2Kでは、VD-10ZFC12(2020年発売)とVD-10ZFC13(2022年発売)のどちらも、現行機種としてVD-10ZFC14とVD-10ZFVC7が示されています。仕様表の数値も両世代で同じです。正確な品番はグリルを外した本体の銘板で確認できますが、どちらの世代でもVD-10ZFC14への交換で対応できます。

Q. VD-10ZFC14は外形寸法の幅がVD-10ZFC12より2mm小さいそうですが、天井にすき間はできませんか?

A. WIN2Kの外形寸法はVD-10ZFC12が210×398×286mm、VD-10ZFC14が210×396×286mm(高さ×幅×奥行)で、差は天井裏に収まる本体側の表記です。天井にあける角穴の寸法は、両機種の据付工事説明書でどちらも□215mmとされているため、既存の開口にそのまま取り付けられるのが基本です。

Q. 洗面所側の吸い込みを強くしたいのですが、風量調節板で調整できますか?

A. VD-10ZFC12は、取扱説明書・据付工事説明書で本体と副吸込の風量割合が約2:1で固定されており、変更できないとされています。調整で吸い込みを増やすことはできないため、副吸込側が以前より弱くなった場合は、副吸込グリルの汚れや天井裏のダクトの外れ・つぶれを確認します。

Q. 銘板を見たらVD-10ZFLC12でした。交換先はVD-10ZFC14でよいですか?

A. VD-10ZFLC12は24時間換気機能付の機種で、WIN2Kでは現行機種がVD-10ZFLC14とされています。VD-10ZFC14の取扱説明書によると、VD-10ZFLC14は壁スイッチで強・弱を切り替え、弱運転で24時間換気を行うタイプで、スイッチはP-04SWLB5です。品番に「L」が入っている場合は、VD-10ZFLC14を前提にご相談ください。

Q. VD-10ZFC12の製造年はどこで分かりますか?

A. VD-10ZFC12の取扱説明書には、製造年が本体に西暦4桁で表示されていると書かれています。グリルを外すと確認できます。標準使用期間15年はこの製造年を起点に数えるため、交換の時期を考える際の手がかりになります。

Q. VD-10ZFC12は副吸込側にもシャッターがあると聞きました。VD-10ZFC14ではなくなりますか?

A. WIN2Kの特長欄ではVD-10ZFC12が「排気・副吸込とも」、VD-10ZFC14が「排気側」と表記されています。一方でVD-10ZFC12の取扱説明書の本文は排気側のシャッターについての説明のみで、資料によって表現が異なります。屋外からの逆風を防ぐ排気側のシャッターはVD-10ZFC14にも搭載されています。

Q. 電気工事士の資格があれば、自分で交換してもかまいませんか?

A. 資格をお持ちであれば作業は可能です。その場合も、VD-10ZFC14に付属する据付工事説明書に従い、副吸込側の長穴(薄肉部)の切り取り、電線の皮むき10mm、湿気の多い場所でのD種接地工事と漏電ブレーカーの取付けなどを守ってください。資格をお持ちでない方は、専門業者にご依頼ください。

まとめ|VD-10ZFC12の交換と後継機種選び

VD-10ZFC12は、2020年6月に発売され2022年に生産を終えた、三菱電機の10クラス・2部屋用の天井埋込形換気扇です。後継機種はVD-10ZFC13をはさんだ現行品のVD-10ZFC14で、埋込寸法□215mm、ダクトφ100mm、風量・騒音・消費電力・質量、適応スイッチP-10SW2まで同じです。天井の開口やダクトを生かしたまま、同じ能力の本体に入れ替えられる組み合わせです。

世代による違いは、羽根の表面処理(ハイブリッドナノコーティング・プラスからデュアルバリアマテリアルへ)、WIN2Kでのシャッターの表記、外形寸法の幅2mm、取扱説明書の構成といった点にとどまります。VD-10ZFC12は本体と副吸込の風量割合が約2:1で固定されているため、副吸込側の吸い込みが弱いときは、ダクトや副吸込グリルの状態もあわせて確認することが大切です。

標準使用期間15年から見ればまだ年数の浅い機種ですが、羽根が回らない、異常な音や振動がする、こげ臭いといった症状があれば、年数にかかわらず使用をやめて点検を受けてください。補修用性能部品の保有期間は製造打切り後6年とされているため、その後の不具合ではVD-10ZFC14への交換が現実的です。交換には電気工事士の資格が必要で、工事時間は15分〜30分程度が目安ですが、副吸込側ダクトの補修などが加わると長くなります。換気生活では、本体と銘板、副吸込グリルの写真をLINEで送っていただければ、交換の進め方をご相談いただけます。

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